携帯電話の外部接続端子のマイク付きイヤホンコードを平型端子に移植する

警告

この改造は自己責任でお願いします.
(素人目ですが)Docomo側の仕様に乗っ取った形で改造しているつもりですが,イヤホンの不可等は全く考えていません.
もし接続するものがデリケートな機器(高級なイヤホン等)の場合,機器の故障や破損する可能性があるかもしれません.また携帯電話本体も同じ可能性があるかもしれません.


そして半田ごてでのやけどやけがに注意しましょう.

本編

100円ショップでこんなものを発見


携帯電話にイヤホンやヘッドセット(イヤホンマイク)を接続するときなんかは平型端子につけるものだと思いました(昔は丸型端子もありましたね)
最近の薄型な携帯電話は平型端子と呼ばれるものがつかない場合が多いそうで,外部接続端子がイヤホンなどを兼ねたりするらしいです.
逆に平型端子と外部接続端子が両方ともある場合は,平型端子だけしか機能しません.
で,せっかくマイク付きでイヤホンコードを見つけたのに私の携帯(SO905i)は平型端子があるのでこれは使えません.


じゃあどうしようか,何か無いか,どうにか使いたい,

手元に平型のイヤホンコードがある,あけてみようか・・・



という流れの元で始めたのが今回のエントリー.
単純に外部接続端子と平型端子はどう違うのかの確認も兼ねた話.
ところで,このケーブルはイヤホンとマイクだけ使えるそうですが,市販で1〜2千円程度のものは通話スイッチなんてものもついています.はてそれはどうやって動いているのか?,スイッチさえあえば動かすことが出来るのか?という疑問の解消もかねて.

準備

必要なもの

画像取り忘れた

  • 今回のぶつ
  • 平型端子がついてるケーブル
    • 100円のものでも良いです,むしろ市販のものは特殊でだめな可能性あり
    • 端子側をよく見てすべてのピンがそろっていることが絶対条件(出ないと配線出来ない)
    • ただし,それでもだめな場合があるのでいくつか種類を用意しておくと良い
  • リッツ線
    • 平型端子ケーブルからとれるので別途用意は必要なし
    • 余分にほしいなら100円ショップのイヤホンコードをたくさん買いましょう.
  • 半田ごて
    • 極細で温度が低めのものが良いです
  • 半田
    • 半田ごてに合わせて
  • 半田吸い取り線
    • 無い人は根性で半田をとりましょう,吸い取り器は対象範囲が小さすぎるので向かないかも
  • ごて台
  • ピンセット
    • 金属製,力を使わなくてもつかめるやつ推奨
  • ニッパ
  • ラジオペンチ
    • 重すぎるのは却下
  • 手を使う必要のないルーペ
    • 頭にかぶるタイプが良いかも,ルーペは湾曲しないタイプがおすすめ
  • 追記
  • テスター
    • 通電テスターで十分です

参考にしたリンク

作業開始

平型端子,外部接続端子のどちらも分解する.
平型端子側は最後に戻せるように壊さずに分解.外部のほうは用無しなのでバキバキ
平型側に注目すると,ピンにいくつかリッツ線が配線されているはずです.必要以外のピンはすべて折られているはずです,もし残っていたら格段に作業がやりやすいでしょうが,多分ありません.数ミリでも残っていれば何とか出来なくも無いかもしれません.
(もしかしたらどこかのメーカーが部品として売っているかもしれませんが,卸売りぐらいしかなさそうにも・・)


平型端子のピンアサインを説明
わかる人は仕様書だけ見ればいいです.スイッチやステレオ判断がどう動いているかがよくわかります.

ヘッドセットと接続する場合
1P:GND
2P:MIC(+)
3P:GND
4P:ヘッドホン(R)
5P:ヘッドホン(L)
6P:ステレオならGND,モノラルならオープン
8P:通話スイッチ(+)

GND(グラインド,Ground)は接地です.いわゆる-です.
電池と電球を直列回路でつなぐと1周しますが,それを行うために-の端子も必要です.いわゆる短絡,ショート

  • 逆にショートさせないことをオープン,解放といいます.

例えばマイクは+しか端子がありませんが,-はどこにつなげる?といったらGNDです.そうして回路が出来ているということです.


3PもGNDとありますが,仕様書を見るとヘッドセットを検出するようです,これをショートさせるとヘッドセットであると検出するらしいです.なのでGNDに


4,5PはヘッドホンのRとLです.ヘッドホンの配線はこれとGNDがありますが,当然1PにGNDを配線します.


6Pはステレオとモノラルの判断のようです.これはショートさせるかオープンさせるかで判断しているようです.ステレオイヤホンをつなげたい場合はGNDに配線します.
最後の8Pは通話スイッチ用です.これにスイッチ(押しているときだけオンの押しボタンなスイッチ)をつなげてボタンを押すと着信に応答することが出来ます.これは+側なので−側はGNDの1Pに接続すると良いはず.


ほかのピンは必要なさそうです.(隣通しのピンとショートさせないようにご注意)


次に外部側の端子ですが仕様書のP.5 Figure 3.3-2を見ると対応表があります.
バキバキにした外部側の配線を確認するとそれっぽくつながっているはずです.(写真取り忘れ・・・
GNDは端子間のショートでつながっている場合があるはずで.それ以外は単独なのでどの線がどの端子からだったかを覚えておいてください.
一応テスターで確認をしてみましたがもちろん仕様書通りだったので,これに従えば十分でしょう.

実装

さて配線状況を把握したので,後は平型へ移植するだけです.GNDは1と3ピンをリッツ線でつないでどちらかに集中させても良いでしょう.僕は一番端の1ピンにしました.


さて,ピンが残っていない場所はどうすればいいか.
今回のぶつの場合ピンがニッパなどで切られていましたが,2ミリ程度残っていたので根性で乗せました.とにかく載せるのは困難です.
リッツ線に半田をある程度乗せてからやると良いかもしれません.ちなみにピンの感覚は短いは回りはプラスチックなので,慎重かつ素早くです.
自分は結構回りを溶かしました・・・子供だましで息をフーフー掛けながら頑張ります.



こんな風に


でテスト.
ばっちり成功!音も通話も問題なさそう.
マイクも以外と音を拾ってくれましたが,少々ぼやけた音のようで,さすがに相応というべきでしょうか.マイクを取り替えたらまた違うかもしれません.
リッツ線が余っているついでに,通話スイッチ用の配線もしました.相変わらず切られたピンに苦戦しましたが,何とか乗せられたようで,テストで通話応答してみたり,SO905iの機能にある通話スイッチでのミュージックプレーヤー操作も問題無く可能でした.後はスイッチをどうにか出来ればよさそうです

まとめ

今回は配線の把握がやりやすかったので,一番大変だったのは半田付けぐらいでしょうか.
細かいものなので,ルーペしかり半田ごても極細のものが便利です.というか無いとやる気なくします.
(チップ部品で工作する人はこればかりなので相当根性あるなあと思ってしまいました.)
すでにある器材があるので費用も200円で済みました.これに通話スイッチの増設となると部品の購入があるので少々値段が上がるかと思います.作業工程ももっと増えます.
わざわざ作ってどうするよと思うわけですが,そこは工作好きには言ってはいけない(思ってはいけない)ものです.値段も作業時間も楽しむもので.
逆に,作ってみて動いた時の感動を味わいたい方は,値段もそれほどかからないのでチャレンジしてみても良いと思います.



最後に半田付けでのやけどはご注意を.なるべく何もないテーブルや机上で,換気しながらやりましょう!

おまけ:スイッチをどうするか

まだやっていなくて,これからと考えてるスイッチの増設ですが,イヤホンコードのどこに納めるかで大きさが決まるかと思います.が平型端子側やイヤホン端子側のどちらもスペースは少ないので,相当の小型なスイッチが必要でしょうか.
例えばこんなものが良さそう?
タクトスイッチのリンク

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タクトスイッチ(大)10個セット: パーツ一般 秋月電子通商 電子部品 ネット通販
タクトスイッチって: 夢と小物のエンジニアリング

コードも必要でしょうか.GNDをすべて共有してやっても良いかもしれませんが,リッツ線がそれで持つのかわからないので,コードを増やしてコードをどうにかして束ねる必要があるでしょう.
まぁリッツ線はイヤホンコードをつぶして使うとして.


何かジャンク品から引っ張ってきても良いかもしれませんね.ジャンク屋を見回るのもおもしろそうです.
タクトスイッチなんかはマザーボードについているものも使えるかもしれません.


自分ならこうやろうと考えていますが,うまい方法が合ったら教えてください! それではレッツDIY

続き

→頼んでいたスイッチが届いたので,早速組み込みました.
改造したマイク付きイヤホンコードにスイッチをつけてみた